【コラム】Daniel2を利用した超高速GPU動画エンコードパソコンのスペックまとめ【検討結果】
動画の書き出し時間が長すぎる!
動画の編集用にMacBookProの15インチ、GPU搭載モデルを買ったにもかかわらず、動画を編集したあとの書き出し時間が長すぎてストレスすぎる…。
調べてみると、Premiereは書き出しのときにGPUを使っていないとのこと。これじゃあGPU搭載モデルを買った意味がないわけで。
しかし、書き出しのときにGPUを使って書き出しを超速くするプラグインがありました。Daniel2というプラグインで、書き出し時間も1-2割速くなる程度ではなく、半分になった!、という報告も多数。Adobe公式サイトからもリンクされてます。
Cinegy Daniel2、H.264 および HEVC ビデオコーデックプラグインパック
同社の Web サイトCinegy ビデオコーデックプラグインパックを使用すると、Cinegy の Daniel2 GPU コーデック、および NVIDIA によるアクセラレーションを利用した H.264 と HEVC の書き出しのサポートが追加されます。
最近のマルチ CPU システムまたは NVIDIA グラフィックカードのパワーと、Daniel2 の並列処理アーキテクチャとを組み合わせることで、超高解像度のシネマワークフローやポストプロダクションワークフローを高速化できます。UHD、4K、8K またはそれ以上の解像度のビデオを、他のプロダクションコーデックよりも何倍も高速に処理できます。Daniel2 は、録画中の編集ワークフローで MXF OP1A を使用するとともに、効率的なアルファチャンネルもサポートしています。Cinegy の NVIDIA GPU を利用した H.264 および HEVC の書き出し機能により、書き出し時間が大幅に短縮され、CPU を他の作業に活用できます。
MacBookPro 15inch 2017で試してみたところ…
うちのMacのスペックは以下の通り。
Mac用のプラグインも用意されているので、早速ダウンロードしてDaniel2を使ってみたのですが、、、
結論、Macでは書き出し時間の改善はほとんどありませんでした。なぜならDaniel2のMac用プラグインは現在のところ、mxfフォーマットでのエンコードができるようになるだけで、エンコードの高速化には対応していないから、です。
Daniel2プラグインについて詳しくはこちら…
Daniel2 - world's fastest video codec
動画の高速書き出しに必要なPCスペックとは
Daniel2公式サイトやAdobeサイト、その他情報をまとめたところ、動画の高速書き出しに必要なスペックがわかってきました。
- Windowsパソコンに対応
- NVIDIAのグラボを搭載していること
- 書き出し時間の短縮は、グラボの性能が大いに関係すること
GPUエンコードMacユーザー対応について
Macは現状、NVIDIAのGPUを搭載したモデルがありません。GPU搭載モデルはいずれもAMD のRadeonシリーズです。”チーズおろし器”も含めて。
いっぽう、Daniel2のGPUエンコードはNVIDIAが要件になっています。
つまりMacでGPUによる高速エンコードができるようになるには、a) Daniel2がRadeonに対応するか、b) AppleがNVIDIAを採用するか、いずれかが必要ということになりそう。
あ、あともうひとつ、c) Adobe自身がGPUエンコードに対応するのが一番いい。もちろんNVIDIAとRADEONの両方に。
Macのビデオカードは遅い問題
いずれの方法にせよ、RadeonのGPUエンコードが可能になったとします。ただし、少し問題があります。Radeon搭載のMacはいずれもかなり高額なモデルであるという点です。
NVIDIA GTX1060(グラボとしてはエントリーモデル)と同等と言われるRadeon RX580を積んだiMac 27inchは、素の状態で25万3800円。これはメモリが8GBしかないので、最低限ではありますが16GBにすると27万5800円。
いっぽうBTOパソコンで人気のマウスコンピューターでは、GTX1060とメモリ16GB搭載モデルで11万4800円。27インチ4Kモニターを6万円と考えても合計17万4800円。Macより10万円以上安くなります。
価格.com - メモリ容量:16GB〜 マウスコンピューター(mouse computer)のデスクトップパソコン 価格の安い順
Windowsパソコンならグラボも選び放題。GTX1060の後継機になるRTX2060や、更にハイスペックなRTX2070を選んでも、上述のiMac 27inchの価格以下に収まることでしょう。
個人的な結論
GPUを使った高速エンコードをしたいなら、高性能グラボを安価に選べるWindowsパソコンから選ぶしかないかな、と思っています。MacBookPro 15inch 2017、いくらで売れるかな…
【追伸】
子どもたちの成長の記憶を残しておくためには、静止画よりも動画のほうが断然イイ!ということで、最近動画ばかり撮っているわけですが、動画の編集をしたあとの書き出し時間がかかりすぎて悩んでいたので、こんなエントリーをまとめた次第です。