防災意識向上に取り組むマンション増加中!先進事例をご紹介
都心のマンションでは、居住者の自助・共助を促すためにどのような取り組みがなされているのか、独自調査した住民の防災への意識とともに、マンションに必要な防災スキルをご紹介します。
マンションの消防・防災訓練には過半数の住民が不参加
都心マンション居住者を対象に消防・防災訓練の参加率を調査したところ、「ほぼ参加+どちらかというと参加が多い」と答えた人は26%と4人に1人だったことに対して、「どちらかというと不参加+ほぼ不参加」は52%を越えた。また、訓練の実施自体を認知していない人は21%以上に達し、残念ながら消防・防災訓練への参加意欲は低い人のほうが多数を占める結果となった。
参加する人の傾向を見てみると、家族構成別では子どもがいる世帯の参加率が約33%と一番高く、さらに居住者同士の交流を楽しんでいる人が多いマンションほど参加率が高まる傾向も読み取れた。
【参加する理由】
・子どもと一緒に避難路を確認したい
・高層階に住んでいるから災害時のことは意識している
【参加しない理由】
・免震装置を信頼しているので予定を空けてまで参加しようと思わない
・毎回内容が同じだから
防災意識向上に取り組むマンションが増加中
低調と言わざるを得ないマンション居住者の防災意識だが、こうした事態を改善する動きもある。防災訓練の支援を行っている「つなぐインターネットコミュニケーションズ」によると、住民の前向きな参加を目指し、防災訓練と防災関連イベントを合わせて実施するケースが増えているという。防災イベントと訓練の同時開催で、訓練への参加率が10倍になったという事例もあるようだ。
本誌では、住民の防災意識向上を目指して、従来の訓練に独自の工夫を加えている先進的な2つの事例を紹介している。
■防災クイズ、ラジオ工作、グッズ販売etc、イベント~交流を経て、自覚を促す仕組みづくり
~芝浦アイランド ケープタワー・グローヴタワー~
■防災設備の見学ツアーで被災時のリスクを体感。訓練とマニュアルの相乗効果で「自分事」に
~ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロレジデンス~
<データの調査指標>
【調査名】マンション管理とコミュニティについての調査
【調査時期 】2018 年2月15 日~ 3月5 日
【調査対象者】都心13区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区、文京区、目黒区、品川区、豊島区、世田谷区、中野区、杉並区、大田区)の新築マンションを契約し、2011~2016年の間に入居、現在も同じマンションに住んでいる人を対象。専有面積30㎡未満、総戸数50戸以下を除く。
【調査方法 】インターネット調査
【有効回答数】429名