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新築マンション価格設定の法則~過去10年間を対象に階数と方位から算出~

新築マンション業界で導入シェア9割のマーケティングシステム“サマリネットシリーズ”を提供する株式会社マーキュリーは、首都圏で2009年から2018年の10年間に供給された物件を対象に、物件の平均坪単価を1とした時、各住戸の坪単価がどの程度なのか指数化したものを、階数別・方位別にまとめました。
※マンションサマリ調べ。

一般的に、新築マンションは同じマンション内で、同じ面積であったとしても、その住戸の階数や方位によって価格設定が異なります。そこで、階数や方位によって、価格にどれくらいの影響が出るのかを首都圏で過去10年間に供給された物件を対象に調査を行いました。

その結果、新築マンションにおける価格設定の法則が見えてきました。

 

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■25階~29階の西向きを基準としたときの階数帯毎の方位別価格差。

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まず、物件の平均坪単価を1とした時、各住戸の坪単価がどの程度なのかを指数化したものを階数別・方位別でまとめました。

南・南東・南西向きは5階以上東・西向きは25階以上北西・東向きは30階以上北向きは40階以上で概ね平均坪単価を上回る価格設定となっていると言えます。

 

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■南向きを1とした時の階数帯毎の方位別価格差

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次に、各階数帯毎の南向き住戸を1とした時、各階毎、各方位でどの程度の格差があるかを見てみます。

南西・南東向きは概ねー4%未満、東向きはー4~ー10%未満、西・北西・北東向きもー4~ー10%程度ですが、より低層階からマイナス幅が大きくなる傾向を見ることが出来ます。また、真北向きはー5~ー13%とマイナス幅は最も大きいことが分かります。

一方、50階以上では、南向き以外の方位と南向きとの差が縮小する傾向もみられ、特に55階以上では、南向きを大きく上回る方位も見られました。方位は南向き、階数は高層階に行けば行くほど価格が上昇することが今回のデータから見ることができましたが、50階以上の高層階の住戸は「南向きが高い」という法則が成立しないと言えます。

 

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方位別価格設定の法則では、南向きを基準とした際、南向き>東向き>西向き>北向きの順で価格に差が出ることが分かりました。

仮に物件価格の基準(南向き住戸)を5,000万円とした場合、東向きでは185万円~480万円、西向きでは200万円~480万円そして北向きでは265万円~650万円もの差が出ることになります。

「必ず南向きで」という方もなかにはいらっしゃるかと思いますが、南向き以外の住戸を選択した場合、物件価格一定以上抑えられることを踏まえれば、「お得感」を感じられるかもしれません。