イチから始める家探し

物件選びのコツやお金の話など、”家探し”に役立つ情報をお届けするブログメディア

住宅ローンは変動金利か固定金利か、考慮すべき2つのポイント

まず前提。空前の低金利時代、とにかく目いっぱい借りなきゃ損

ここはあまり異論がないと思いますが、今はとにかく空前の低金利時代なので、頭金を多めにいれるとか、借り入れは最小限にするとかというのは、金利が高かった時代の遺物であり、はっきり言ってナンセンス。頭金は少なく、借り入れは多く、が基本。 だって固定金利にしたって1.37%ですよ。できるだけ借りなきゃソンというものです。

ちなみにこちらは横浜銀行サイトのスクリーンショット。

f:id:chromebook:20150218204409p:plain

そして手元資金をできるだけ確保し、運用にまわすなり、不測の事態に備えて留保しておきましょう。ちなみに我が家の場合、3500万円の物件を購入しましたが、妻と合わせて貯金は2000万ほどあり、頭金は金利優遇の条件である20%分(700万円)だけ入れて借り入れを3000万円、手元にできるだけキャッシュを残しました(そしてこれを元手に、インフレを取り返す程度の長期運用をする予定ですが、その話はまた後日…)。

シミュレーションの前に、変動金利と固定金利の定義

ここでいう変動金利と固定金利の定義をはっきりさせておきましょう。変動金利とは全期間変動金利、固定とは全期間固定、つまりフラット35のこととします。 変動金利には、10年固定期間付きみたいなものもありますが、特定のケース以外はあまりメリットがないと思います(後述)。

現時点の金利を元にシミューレーション

はい。2015年2月時点での一般的な金利は、変動金利0.6%、固定金利1.37%です。変動金利は都銀とかだともうちょっと高いですが、地銀やネットバンクは0.6%くらいが多いですね。住信SBI、イオン銀行、ソニー銀行あたりが人気ですね。いっぽうフラット35は1.37%でほぼ横並び。

計算の条件ですが、3000万円を35年ローンで借りることとします。できるだけ長いほうが低金利のメリットを受けやすいですからね。

また変動金利については、
1. 金利がそのまま上がらなかった場合
2. 10年後に1%に、20年後に2%になった場合
3. 5年後に1%、10年後に2%になった場合
4. 5年後に2%になってそのままになった場合
以上の3パターンとしました。金利の予測値を1−2%にした理由については後述。

 

金利タイプ 金利 総支払額
固定金利
フラット35
1.37% 37,781,766
変動金利
金利が上がらなかった場合
0.60% 33,267,429
変動金利
10年後に金利が1%に上昇
20年後に金利が2%に上昇
1-10年目 0.6%
11-20年目 1%
21-35年目 2%
35,573,175
変動金利
5年後に金利が1%に上昇
10年後に金利が2%に上昇
1-5年目 0.6%
6-10年目 1%
11-35年目 2%
38,100,429
変動金利
5年後に金利が2%に上昇
1-5年目 0.6%
6-35年目 2%
39,468,539

今後どれくらい金利が上がるのか

おそらく条件として確からしいのは、バブルの時ほどの金利にはならないだろうということ。んじゃあバブル期は何%だったのかというと、一時的なピークを除いて、ざっくり6%くらいでしょうか。

f:id:chromebook:20150217214303p:plain

で、これは店頭金利なので、審査結果にもよりますがここから2%は引かれます。そうすると実質4%程度でしょう。これがバブル期。

つまり、今後日本の景気がよっぽど回復したとしても3%は行かないでしょうし、2%になればなったでかなりの好景気だと言えそう(そうなったらなったで逆に嬉しいかもですが)。

で、変動金利で最悪なのは、近い未来に金利が急上昇することですが、あまり確率の低いシミュレーションをしてもナンセンスなので、ここではありそうな未来のうちでリスク側に振れた場合を2%として条件にしたものです。

 

スポンサーリンク

 

結論。ワタシは変動金利を選びました。

自分なりに考えた結果、リスク側に振れた場合は固定金利の総支払い額を170万円ほど上回りますが、差はそれほど大きくないので、だとしたら金利が上がらないほうに賭けてみるか、という判断でした。

固定期間付き変動金利というプラン

変動金利には、当初2年や5年の間だけ金利を安く固定するプランがあります。これが何を意味するかと言うと、一言、繰り上げ返済です。固定期間が終わったあとは、通常の変動金利より金利が高くなってしまう(店頭金利からの割引が少なくなります)ので、固定期間のうちにできるだけ残債を減らしておけば、支払総額は少なくなりますよというもの。こういうのです。基準金利からの引き下げ幅の違いに注目してください。


Mr.住宅ローン - 金利一覧|住信SBIネット銀行

このプランについてはいろいろ疑問があります。まず、繰り上げ返済で残債をできるだけ減らすという考え方にメリットを感じません。繰り上げ返済する余裕があれば、運用したほうがなんぼか得でしょう。

今この現在、空前の低金利時代でありかつ、少額でもグローバル投資ができる個人投資の環境がここまで整備されて、さらにNISAで減税効果も出せる時代です。頑張って繰り上げ返済して流動資産を減らし、キャッシュフローを悪化させるほうがよっぽどリスクです。

そもそも、固定期間5年だとしてどれだけ繰り上げ返済できるでしょうか。収入に波がある自営業ならまだ理解できますが、サラリーマンだとしたら、5年間だけ収入が多いというケースは考えにくいです。

まとめ

まずひとつ目のポイント。変動金利か固定金利か。私自身は変動金利を選びましたが、フラット35(=固定金利)も1.37%という固定にはあるまじき(笑)ありえない低金利。ここは迷いどころでしょう。上記の説明でナットクなら変動金利、より”堅く”行きたいのであればフラット35、となります。

そしてふたつ目。固定期間付き変動金利はオススメしません。繰り上げ返済を前提とするようなプランに今どきメリットはありません。