【早期終了あり】変動と固定のイイトコ取り『フラット35S』の破壊力とは【善は急げ】
私自身は住宅ローンは変動金利を選びました。日本の不景気は一時的なものではなく構造的なものであり、これから金利が爆上げすることはまず無いという予想のもと、この先20年で金利が多少上がったとしても固定金利の支払額は超えないだろうと踏んだわけです。
固定でありながら低金利という反則技
ですが、実は非常に頭を悩ませたのがこの『フラット35S』の存在でした。フラット35Sとは、普通のフラット35から最初の10年間金利を0.6%割り引くというものです。つまり、最初の10年間(残債の多い期間です…)は低金利、残りの期間は安心の固定金利、という固定と変動のイイトコ取りなのです。ほとんど反則でしょこれ…
ちなみにこの制度、ずっと続くものではなく予算が続くまでとされています。マイナス0.6%分を補填する原資(もちろん税金ですけどね)が尽きた時点で募集は終了となります。事実、以前も金利優遇措置がありましたがその時も予算枠に達して終了しています。今回もおそらく同じ、善は急げです。
35年の安心料はいくらなら良いのか
ちなみにどれくらい割安なのかシミュレーションしてみました。3000万円を35年ローンとした場合の、変動金利とフラット35Sの比較です。変動金利は現時点でのネット銀行系の相場を元にしているので、当然上振れリスクはありますが、ここでは比較のために上がらないものとしています。
金利タイプ | 金利 | 総支払額 | 差額 |
フラット35 | 1.37% | 37,781,766 | - |
フラット35S | 最初の10年 0.67% 残り期間 1.37% |
36,054,731 | 対フラット35 1,727,035 |
変動金利 | 0.65% | 33,549,675 | 対フラット35 4,242,091 対フラット35S 2,505,056 |
フラット35と変動金利を比べた場合、ざっくり400万円の差があります。金利はもちろん固定のほうが安心なので、この場合は「400万円で安心を買うかどうか」という判断になります。
ところがフラット35Sの場合、その差額は250万円。35年間の安心を250万円で買える、と言うこともできます。ざっくり新車1台分。うーむ、これは悩みました。正直。
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フラット35Sを選ぶべきか。チェックポイントは2つ
私の場合、結果的にはフラット35Sを選べませんでした。購入した物件がフラット35Sに対応していなかったのです。無印のフラット35には対応してましたが、安心料400万円は払えませんでした…。なので1つめのポイント。フラット35S対応物件でないと当然ながら利用できません。要チェックポイントです。
それからもうひとつのポイント。団体信用生命保険の支払いです。前述の条件だとだいたい200万円くらいプラスされるのですが、私が利用した住信SBIは団体信用生命保険保険料が「無料」だったのです。
フラット35Sは団体信用生命保険が有料です。そのため250万円プラス200万円、合計450万円の差額になるという計算でした。
この団体信用生命保険の支払いは、借りる住宅ローンによって無料だったり有料だったりします。なのでこの点が2つめのチェックポイント。団体信用生命保険が無料の場合は200万円ほどトク、ここは要チェックです。
まとめ
これら2つのチェックポイントをクリアした場合、固定金利の安心感を250万円で得られるわけで…もし選べていたら間違いなく選んでいました。それほどの破壊力です。この制度が税金で維持されているのがなんともモヤモヤしますが、それはまた別の話ですね。